インド海軍向けに開発されていた艦上練習機型「MiG-29KUB」が2011年6月23日16時45分頃、ロシア南部アストラハン地方でテスト飛行中に墜落しパイロット2名が死亡しました。死亡した両名のパイロットはベテランだったとのこで、事故原因は現在のところ不明。同国軍検察は安全規則の調査を実施するとともに事故調査が完了するまで、同型機は飛行禁止措置がとられました。
MiG-29Kは元々、1980年代初頭ソビエト連邦海軍による艦載戦闘機選定のために開発されました。競合機であるスホーイ設計局のSu-33に敗れ開発は一時縮小されます。しかしインド海軍がロシアから購入した「アドミラル・ゴルシコフ」を改修して「ヴィクラマーディティヤ」として配備するにあたり、搭載機をMiG-29Kに選定したことで計画が再開。2007年にはロシアのジューコフスキー飛行場でインド海軍向けに開発されたMiG-29KUBが初飛行しています。新型のMiG-29Kは4重のデジタルFBWに最新アビオニクスを搭載し約15%の複合素材と電波吸収材がコーティングされステルス性も向上していす。インド海軍では2004年に12機のMiG-29Kと4機のMiG-29KUBを発注し 、2012年には全ての納入が完了する予定で2010年には29機のMiG-29Kを追加購入しています。この事故をうけ既にMiG-29Kを運用するインド海軍では、事故に関するメーカーからの詳細な回答を求めています。
亡命機ミグ29―スクランブル (徳間文庫) 夏見 正隆 by G-Tools |