T-2blueimpulse_crash

1982年11月14日、浜松基地航空祭でアクロバット飛行を行っていた航空自衛隊アクロバットチーム「ブルーインパルス」T-2が観衆目前で墜落する事故の様子を撮影した映像。当時チームはF-86F(セイバー)から国産ジェット練習機T-2に機種を更新、新たなメンバーで構成される二代目ブルーインパルスとして活動を開始したデビュー年でした。事故当時は快晴。予定通りブルーインパルス6機が離陸し、演目の終盤「下向き空中開花」散開後、高嶋潔一尉が搭乗する4番機が急激に降下し、会場近くの駐車場に墜落しました。この事故により工場3棟が半壊、住宅1棟が全焼し、多数の車両が損失、一般人12人に重軽傷者を出す惨事となりました。ブルーインパルス史上では初めてとなる展示飛行中の事故であり飛行隊は発足以来最大の危機を迎えています。
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武田 頼政

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事故原因は調査、機材点検、飛行解析、検証飛行を行った結果、4番機が「下向き空中開花」中、他機とは違いブレイク指示で180度ロール後逆方向に機体を引き起こすという最も困難な動作が必要で、指示タイミングの遅れが機体姿勢を立て直すに間に合わなかった為とされています。以降「下向き空中開花」は廃止され展示飛行高度の引き上げ等再発防止策がとられることになります。

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